今回のインタビューは菅合(すがあい)にてKBTボディメンテナンスを営まれている神戸晴太(かんべ はるた)さんです。
ご自分でも肩書きに悩まれるほど様々なケアを提供されていますが、その仕事の話からは驚きの展開が待っていました。
【故郷に店を構えるまで】
古いけれど落ち着いた雰囲気はまさに田舎のおばあちゃんち。
それもそのはず、元々祖母が住んでいたという空き家を利用して営業されています。
実は、特に大台町にこだわっていたわけではないと神戸さん。
大台の山や川を遊び場として育ち、ソフトテニスなどスポーツにも打ち込んだ少年は、やがてスポーツ選手たちのサポートができるトレーナーのような仕事に就きたいと考えるようになります。どこで学ぼうか迷っている時、とある大阪の大学のオープンキャンパスにてその後の人生を変えることになるボバーズコンセプトというリハビリの概念に出会い、猛勉強。
「本当に魔法みたいやったんですよ。その教授がリハビリしてるのが」
患者さんの体の変化が魔法のようだった、と感銘を受けた教授のことを振り返ります。その教授から多大な影響を受け、脳梗塞で不自由している患者さんの治療の勉強にのめり込みました。理学療法士として病院に勤めだしてからも熱心に遠方の研修に出向き、治療に対するあらゆるアプローチを試みます。
しかし、病院勤務では自分の思い通りにならないことがたくさん。時間の制約から本当にリハビリを必要としている人に必要な時間を割けなかったり、小児科医がいないために脳性麻痺の子供さんを診てあげることができなかった経験など悔しい思いを重ね、学生の頃から頭の片隅にあった独立を実行するに至ります。
「人生変えたいなっていうのがあって。うちに来てくれた一人ひとりの」
自分が関わる、頼ってもらうからには、その人の人生を変えるほどの変化を与えたい。
穏やかな語り口からは強い信念が伺えます。
【大台町のお客様】
身体が不自由な方の助けをしているイメージがあったため、お年寄りのお客さまが多いのかと思えばそうでもないようで。
「意外と子供いるんですね(笑)」
きっかけは、大台陸上というクラブチーム。
元気いっぱいで遠慮のない明るい子供たちに迎えられ、彼らが最高のパフォーマンスを発揮できるお手伝いをしているそうです。
「怪我したら松阪とか伊勢の病院へリハビリに通ってっていうんじゃなくて、うちで診てあげたいなって」
近隣の高校の部活や地元のスポーツクラブなどに出張している内、子供たちやそのママさんたちに口コミが広がり、病院勤務の頃には想像していなかった客層の若返りが起こりました。
元々はスポーツが好きでこの業界を選んだ神戸さんは、故郷の自分の店で今、それを実現しています。
【ママとこどもに最高の環境を】
田舎で開業することに不安はなかったのか尋ねると、少し間を取ってから「めっちゃ楽しいんですよね」とはにかんだ笑顔が。
「やりたいことはたくさんあって」と、ここから身体のケアに留まらない神戸さんの野望が語られます。
もちろん頼ってきてくれたひとりひとりに最高のケアを施したいという理念は変わりませんが、想いは地域、そしてこの国を良くしたいと羽ばたいていきます。
元々骨盤矯正には自信がありましたが、ある時舞い込んだのは産後の骨盤ケアをしたいという依頼。産後というキーワードに少したじろぎ、仕事をしながらアップデートし続けてきた自分の技術に少し不安を感じる分野が現れた瞬間でした。
ママとこどもを最高の環境で生活させてあげたいというのが、今の神戸さんにとっての最優先事項。それは自分の妻や子供のことだけでなく、地域のみんなに向けられた言葉です。 プロとして不安な分野を放っておくはずがない神戸さん。妊活、骨盤矯正など産前産後全てを網羅すべく、ママリュクスという専門の団体で研修を受け、その三重県初の認定治療院となりました。
ママが幸せなら子供も幸せ。
ワンオペレーションで子供と二人、休まる時間のないママたちの存在を知った神戸さんは、そんなママたちのために、民泊を利用して託児付きのランチやカフェができる場所作りに動き出しています。
ママに安心してもらい、子供が笑顔。
これこそが神戸さんの掲げる少子化対策なのです。
産前産後の体のケアだけに留まらない活動を通じて、この地域の人口回復に貢献し、なんとNHKのドキュメント番組“プロフェッショナル”に出演することを目標に掲げています。 コツコツと積み上げてきた知識と技術。人への優しさ。自分で何でもやり遂げる強固な意志。取材に語ってくれることは冗談ではありません。
【自然は子孫から借りているもの】
先祖から譲り受けたものでなく、未来の子供たちから借りているというインディアンの言い伝えがあるそうです。
もうひとつ神戸さんにとって大切なのは自然を守ること。
自然が大好きで、今年の夏も川で絶滅危惧種の生物を2種類も発見したそうです。 小さい頃から山や虫、動物、植物に詳しく、同級生から“仙人”と呼ばれ、自然と共に育った神戸さん。
しかし、その当時の遊び場に高速道路を通す計画が。
少年は土木工事準備と思われる杭を引っこ抜いて回って足掻きましたが、やがて山は切り開かれ、破壊され、巨大な橋脚が何本も立ちインターチェンジが建設されました。
今も高齢化と後継者不足により、農地がソーラーパネルになっていく周辺の様子に危機感を抱いています。
そして、大人になった少年がソーラーパネルから自然を守るために抱く夢は、なんとポテトチップス専門店!
耕作放棄地を借りてジャガイモを栽培し、安全な油を使用しこどもたちが安心して食べられるポテトチップスの店を経営することだそうです。
身体を大切に、心を大切に、自然を大切に。
KBTボディメンテナンスが扱うのは決して体だけでなく、みんなが笑顔で暮らしていく環境を整える大きなプロジェクト。
地域の子ども達が安心してスポーツに取り組めるようにすることも、身体が不自由な人の体に変化を与えその人の人生を変えることも、「今日も一日こどもとどう過ごそう…」と小さなお子さんと二人きりで気が晴れないママさんに安らぎを与えることも、子ども達と一緒に山をフィールドに遊ぶことも、荒れた農地をジャガイモ畑にすることも、すべて不思議とみんな繋がっているのです。
KBTボディメンテナンス
HP : https://kbt-bm.localinfo.jp/
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