Vol.19 田中 恭子 さん

Vol.19 田中 恭子 さん

今回のインタビューは、柳原で「きょこ」として活動中のイラストレーター田中恭子(たなかきょうこ)さんです。大台町を拠点にどんな風にお仕事をされているのかお聞きしました。

【イラストレーターとして活動するまで】

田中さんは愛知県の大学を卒業後、結婚を機に三重県に引越し。10年ほど事務職を経験した後、二人目のお子さんを出産するタイミングで自宅からも近い工場でパート勤務を始めました。
工場での勤務は、今までの仕事環境とは違い、常に何かの音が聞こえていて、田中さんはそんな中で、自分に必要な音声を聞き取ることが苦手なことに気づいたそうです。

そして、子育てと仕事を両立させることも難しくなっていったこともあり、強いストレスを感じて少し鬱状態になり、結局工場の仕事を退職してしまいました。

聴力には問題がないけれど、聞こえずらさを感じるという問題について、田中さんなりにインターネットで検索したり、専門書を読んだりした結果、「APD」という障害に近い症状ということが分かりました。

APDとは聴覚情報処理障害のことで、聴力に問題はないけれど、内容について理解できない、もしくは理解するまでに時間がかかるというような状態になること。電話など、聴覚からの情報のみで情報を処理することがとても苦手ですが、基本的には聞こえて会話もできる分、なかなか周りから理解されにくいという問題があります。

田中 恭子さん

【かもあきさんとの出会い】

仕事を辞め、気持ちが落ち込んでいた田中さんですが、イラストレーターの仕事に繋がる出会いがありました。

たまたま目にした「youtube」の広告から、全国で人材育成やマネジメントの講演を行う鴨頭嘉人(かもがしらよしひと)さんを知り、youtubeチャンネルを観てみると、面白い内容だったので何本か観ていたそう。鴨頭さんが奥さんについて「宇宙一のカミさん」と表現されていて、「どんな人なんだろう、、、」と興味を持ちます。

そして、鴨頭明子(通称、かもあき)さんのyoutubeチャンネルを観ると、その時の田中さんにとって、励まされる言葉や気持ちが軽くなるような考え方ばかり。かもあきさんのyoutubeはとても救われる存在だったのだとか。

「かもあきさんは、みんな我慢ばかりしている。特にお母さんは、子どものことや家庭を最優先している人が多いと言っていて、本当にその通りだと思いました。そして、もっと自分のやりたいことをやろうと思いました。」と田中さん。
それからは、自分が好きだった「絵を描く」ということを仕事に活かす道へ進んでいきます。

【絵を仕事にしていくこと】

大台町には、日進、川添、粟生、三瀬谷の4つの地域の子育てサークルがあり、時々4つのサークルが合同でイベントを行っていたことから、一つ一つのサークルは小さいけれど、子育て支援センターを通していろんな人たちと交流でき、田中さんもお子さんが小さい時によく利用していたそうです。※1

子育て支援センターの活動を知って、もっとたくさんの方に利用して欲しいと思い、漫画でその活動を紹介。今でも使っていただいているそうです。

田中 恭子さんの作品

その他にも、家に居ても自分のペースでできる漫画やイラストで仕事をしたいと思った田中さんは、「coconala(ココナラ)」のサイトで、漫画やイラストのお仕事を募集したり、クライアントが募集している仕事に応募する「クラウドワークス」に登録して、少しずつ仕事をいただいて自信をつけていきました。

中でも、似顔絵のイラストが得意だったこともあり、LINEスタンプの依頼を少しずつ受けるようになります。 そして、憧れの存在のかもあきさんの似顔絵を作りたいと思い、かもあきさんに「LINEスタンプが作りたいんです。」とお願いして制作したことがきっかけとなり、似顔絵が本人の特徴を捉えていてかわいいと人気に。今では、受け付けを一時ストップするほどたくさんの依頼がくるまでになったそうです。

一つの出会いをきっかけに、田中さんの人生がいい方向へと変わっていきました。

水神さま散策MAP

絵を描くことを仕事にしようと決めて約2年、最近では、大台町から多気町へ続く散策コースと水神さまの歴史をPRするためのイラストを大台町から依頼されたり、かもあきさんの著書「秒でやれ!」の本の挿絵の仕事が入ったりと、お仕事の幅がどんどん広がってきています。

田中 恭子さん

今後、何かやりたいことや目標について聞いてみると、「APDについての著書を出版予定なので、今年はそれを頑張りたいと思っています。そして、この仕事以外に、農業にも興味があります。近くで旦那さんの両親が野菜を作って道の駅に出荷しているのを見ていて、ゆくゆくは私も一緒にやりたいと思って。」と仰っていました。

また、APDの著書は、より多くの方に届けるため、現在クラウドファンディングに挑戦しているそうです。
※募集中のクラウドファンディングに関する詳細はこちらから

「きょこ」として活動中の田中さんのHP:https://lit.link/kyocomic

※1 現在、子育てサークルは粟生地区のみ活動しています。

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