Vol.2 染川 きみ さん

Vol.2 染川 きみ さん

今回のインタビューは、「ゆったりカフェ ひだまり」を営む染川(そめかわ)きみさんです。

大台町の薗にあるカフェ「ひだまり」は、県道31号宮川線を少し入った「クラインガルテン宮川」と呼ばれる場所にあります。

ここには、宮川の支流の薗川から水を引き込んだ用水路があり、それを使って家庭菜園が楽しめる分譲住宅のログハウスが建っています。農業を楽しむ人たちが暮らすことを考えた環境というだけあって、周りをぐるりと山に囲まれた中に、田畑が広がるのんびりとした風景です。

ここにぽつぽつと建てられたログハウスは、全部で10軒ほど。その所有者さんたちは、家庭菜園を楽しみながらゆっくりとここで暮らしていたり、別荘として休日のみ利用しているそうです。染川さんのお店は、そのログハウスの中の1軒です。

ゆったりカフェ ひだまり

【染川さんが営む居心地の良いカフェ】

お店の扉を開いてみると、常連さんが楽しそうにおしゃべりする賑やかな店内。この日は、雪がちらつく寒い日だったにも関わらず、お店の中は、とてもあたたかな空気に満ち溢れていました。

ゆったりカフェ ひだまり 店内の様子

店主の染川さんは、お一人でこのお店を切り盛りされていてます。カフェのメニューは、多くのお客さんが注文するという、すっきりとした味わいのドリップコーヒーや紅茶など、数種類のドリンクのみというシンプルなもの。

また、ご近所さんがお裾分けでくださるという柚を、たっぷり使った「柚ティー」は、冬限定の特別メニューだそう。

テーブルに置かれているお茶菓子の他に、注文したドリンクを飲んだ後には、昆布茶がもれなく付いてくるというサービスもあります。

ゆずティー

お店にいらっしゃるお客さんは、大台町内に暮らす地元の方ばかりで、皆さん、染川さんに会いたくてついつい来てしまうそうです。中でも、100歳近いご近所さんは、定休日以外は毎日、お店にコーヒーを飲みに来てくださるのだとか。

お客さんとの話題といえば、楽しい昔話に花が咲くことが多く、この日も、旧宮川村に映画館があった頃の話や、地元の習わしなど、大台町の話題で盛り上がる和やかな雰囲気。気がつけば、小さな店内は満席でした。

そんな常連さんたちが決まって利用するのが、コーヒーチケット。カウンター横の壁にずらりと並んでいて、多くの方に愛されている場所だと、これを見ただけで納得です。

そして、「来てくださる皆さんに、いつも元気をいただいています。」とおっしゃる染川さんですが、お客さんは、染川さんの顔を見て、たわいもないおしゃべりをする為にコーヒー飲みに来ているんだと、口を揃えておっしゃっていました。

なんだか、お店の名前の通り、お日様がポカポカあたる「ひだまり」のような場所で、暖かくて居心地が良いから皆集まって来て、ついつい長居してしまうような幸せな空間でした。

ふるさとの風景

【ふるさとの風景】

染川さんは、就職で県外へ出たことをきっかけに、長い間県外で暮らし、20年ほど前に、大台町に戻られました。大台町に戻ってきた時は、懐かしさとともに、静かで水がおいしくて、大台町の美しい自然の風景にホッとしたそうです。長い間離れて暮らしていたけれど、「私の心のふるさとは、ここだ。」としみじみと感じられたそうです。

カフェの窓からも、雄大な山の風景が広がっていて、ぼんやり眺めているだけでも心が落ち着きます。

この風景からも、季節の移り変わりを感じられ、特に春は、木々や花が新しく芽吹き、美しい山の風景が見られるお気に入りの季節なんだそうです。

また、カフェのある薗には、大台町で唯一の温泉がある「奥伊勢フォレストピア」や、片道1時間ほどの登山が楽しめる総門山がある他、車で10分ほど走れば、紅葉や桜が楽しめる「丸山公園」と「さくらの里公園」があり、四季折々の自然の美しさを身近に感じられる場所です。

染川 きみさん

【変わらずあり続ける場所】

2010年にオープンしたカフェは、なんと昨年10周年を迎えました。ここでカフェを始めた時からの「みんなが集まれる場所を作りたい」という夢は、もうすでに叶ったようなので、これからは、「このお店をずっと続けていきたい。」と、優しい笑顔で語ってくださいました。

ゆったりカフェ ひだまり
住所 : 三重県多気郡大台町薗180-1 
Tel : 090-5968-3251 
営業時間 : 10:00~17:00 
定休日 : 火曜日

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