今回のインタビューは、新田のコインランドリー「セルフランドリー・ラクラシカ」を管理運営されている林珠実(はやしたまみ)さんです。
セルフランドリー・ラクラシカは、国道42号線沿いにあり、かわいらしい鹿のロゴとポップな文字の看板が印象的で、ここを通ったことがある方なら、ご存知の方も多いはず。
お店に入ってみると、ピカピカの大型洗濯・乾燥機が、清潔感のある空間にいくつも並び、大きな木のテーブルには女性誌や料理本など、さまざまなジャンルの雑誌がたくさん並んでいて、明るく楽しい雰囲気を感じます。
【こだわりの詰まったお店作り】
林さんは、町内でガソリンスタンドを経営されている旦那様とご結婚され、10年ほど前に大台町に移住されました。
旦那様のご家族は、約100年前に「林商店」という名前で、日用雑貨を取り扱う小さなお店を始め、長年、この場所をベースに新聞や石油類の販売など、その時代のニーズに合わせたご商売を営まれてきました。
そして、2年前、この場所で新しく何か始めようと思った時に、改めて地域の暮らしに貢献することが大切だと感じ、コインランドリーをオープンすることを決めました。
オープンする前にはリサーチのため、県内だけでなく、東京から沖縄までさまざまな場所のコインランドリーを見て回ったというだけあって、細かなところまでこだわりがたくさん詰まっています。
例えば、支払いは現金だけでなく、さまざまな電子マネーが使える便利な精算機を取り入れていたり、なかなか自宅で洗いにくい靴の洗濯・乾燥ができるスニーカーランドリーがあったり。
他にも、本格コーヒーが味わえるカフェ自動販売機があり、洗濯が終わるまでの時間を、ここでドリンクを飲みながら、本や雑誌を読んでゆっくり過ごすことができるように、手作りのテーブルと椅子がいくつも設置されていています。
インタビューの合間にも、コインランドリーを利用される方が、待ち時間をここで過ごす様子が多く見られ、他ではなかなか見られない光景でした。
【お店を通じて取り組んでいきたいこと】
お子さんが生まれるまでは、松阪で暮らしていた林さん。前職では、市民活動を支援する中間組織で、広報をされていました。そこでは、行政や企業、学校や市民活動団体など、異なる立場にいらっしゃる人と人を繋いで、まちづくりをすることに取り組んでいたそうです。
そんな経験もあり、ここも、田舎暮らしの楽しさや地元の魅力を感じられるような場所にしていきたいと考えているそうです。「ふらっと立ち寄れる場所があるって、そのまちの住みやすさに影響すると思う。」と仰るように、「セルフランドリー・ラクラシカ」では、お茶菓子を持って遊びに来るだけでも、自治会や子供会の打ち合わせに使っていただいてもOK。今後は、何かやってみたいことがある方に、展示やワークショップなどの形で場を使っていただくことも検討中なのだとか。
家の近所に、こんな風に気軽に立ち寄れるコインランドリーがあるなんて素敵ですね。
【大台町の魅力的なところ】
大台町に移住する前は、「海から距離があって、津波の心配がなくていい」くらいに考えていた林さんですが、移住すると、お子さんもまだ小さかったこともあり、大杉谷自然学校のプログラムや、保育園での自然体験活動によく参加されていたそうです。
活動に参加されるお子さんたちの姿を見て、思い通りにいかない自然の中での学びが、子どもたちをたくましく成長させてくれることを知る貴重な経験にもなったのだとか。
そして、ご近所の大人には、虫採りや魚釣りなど、何か詳しい知識やスキルを持った方が多く、お子さんたちの疑問や興味に、師匠となって応えてくださるそう。家族以外の大人に囲まれ、子育てを親だけで抱え込まなくてもいいと思える安心感が、大台町での暮らしの魅力だと仰っていました。
普段地元の方々との交流が多く、身近に感じていることもあり、今は林さんができる「地域に喜んでいただけること」を日々模索しているところだそうです。これから何をしていこうか、楽しそうにお話ししてくださいました。
セルフランドリー ラクラシカ
住所 : 三重県多気郡大台町新田127-4
電話番号 : 0598-85-0013(ホーリーポット株式会社)
営業時間 : 5:00~23:00
※林商店は、2020年に有限会社林商店から、ホーリーポット株式会社に社名変更しています。