今回のインタビューは、今年、観光三重フォトコンテストで、グランプリを獲得された吉川達也(よしかわたつや)さんです。
【大台町での暮らし】
吉川さんは、2003年に津市一志郡から新田に移住され、現在大台町での暮らしは約18年ほど。
暮らし始めてから今まで、この辺りで何か変ったことがあるかお聞きしてみたところ、周囲の環境に大きな変化はなく、大きな町よりも不便さはあるかもしれないけれど、必要最低限のものが揃っていて、それがいいと仰っていました。
また、自分から積極的に話しかけていくことが苦手な吉川さんですが、ご近所には、若い世代のご家族が何世帯も暮らしているので、社交的な奥様が、上手に繋がりをつくってくれて、家族ぐるみでBBQをしたり、一緒に山登りをしたりといい関係ができていているそうです。
【登山と写真】
今では、お天気の良い休みの日には、よく山登りに出掛けているそうですが、登山歴はそんなに長くないのだとか。
4年ほど前に、たまたま、職場の方達と一緒に登った菰野町の御在所岳をきっかけに、身近なところにも、すぐに登れる山がたくさんあることに気づき、いろんな山に登り始めてすっかりはまってしまったそうです。
何度も出掛けてしまう山登りの魅力は、やっぱり「季節によって違う美しい景色」で、その心動かされた景色をインスタグラム(@tatsuya_yoshikawa)に、記録として投稿。今では、そんな風景写真の投稿が300枚以上に。
昔からスキーが好きで、長年趣味として続けてきたそうですが、スキーで滑ることよりも、雪山の上に立って、山から見下ろした景色を見ることが一番好きなところだそうで、それが山登りにも通じているようです。
吉川さんの写真には、一緒に人物が入っていることが多く、その場所で感じた山や自然のスケール、吉川さんの感動が、写真を見る人にも届いてくるものばかりです。
また、写真を撮るための機材は、山登りの際に荷物を増やしたくないという理由から、Gopro(ゴープロ)という小型カメラとスマートフォンのカメラだけです。
【誰かと楽しむ山登り】
お仕事が平日休みということもあって、一人で登山に行くことが多いようですが、小学生のお子さん達や奥様にも「美しい風景を見て欲しい。」と、家族を誘って一緒に山へ出掛けることもあるそうです。
それは家族から始まり、今ではご近所さんやご友人、お子さんのお友達まで。興味はあるけれど、自分ではなかなか行くことができなかった人達が集まって、山登りの楽しさを一緒に共有する「登山部」のようになっていったそう。
一つの楽しみから、どんどんその「楽しい」の和が広がっていき、さまざまな人とそれを共有できるのは、素敵な関係ですね。
また、いろんな場所へ出かけている吉川さんのお気に入りの場所は、大台町ならやっぱり「大杉谷」だそうで、大杉谷で撮ったブルーグリーンの美しい川が印象的な「シシ淵」の写真が、おおだいフォトコン2020に入賞されました。
【フォトコンテストへの参加】
最近は、フォトコンテストで何度も入賞されていますが、初めて応募された時のきっかけをお聞きしたところ、三重県内のいろんな場所に行ってみたいと思い、以前から「観光三重」のインスタグラムの投稿をよく見ていたそうです。そこに投稿されている写真が美しく、「自分もこんな写真撮ってみたい」と思ったことがきっかけになり、少しずついい写真を撮ることを意識し始めたそう。
吉川さんが一番最初に入賞したのは、尾鷲市のハッシュタグフォトコンテスト「#travelowase」。軽い気持ちで応募してみたフォトコンテストでしたが、それをいろんな方に見ていただけたことはもちろん、自分の写真で素敵な景品をもらえることも嬉しかったと仰っていました。
それ以降、おおだいフォトコン2020で「大杉谷登山道賞」、観光三重の第58回フォトコンテストでグランプリを獲得されていますが、ずっと変わらないのは、山を登って、美しい風景を楽しむことが一番で、その次に、それを写真に映すこと。真っ直ぐな吉川さんの写真は、そういう気持ちからきているのかもしれません。
【これから行ってみたいところ】
三重県内に限らず、とにかく行ったことない山には全部登ってみたいと仰る吉川さんですが、すぐにでも行ってみたい身近な山は、飯高町と大台町に跨る「迷岳(まよいだけ)」。
また、山だけでなく、海にも近い大台町の立地から、尾鷲市九鬼町の「大配(おはい)」は、最近行ってすごくよかった場所の一つ。山登りを終えた先に広がるブルーの海は「大配ブルー」とも呼ばれるほど美しく、もう一度足を運びたいと思っているのだとか。
これから出会うさまざまな風景に期待を膨らませ、楽しそうにお話してくださった吉川さんのインタビューに、こちらまで山に出掛けたくなりました。
※掲載写真の一部は、吉川さんにご協力いただいています。